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「えぇぇぇぇぇ!!!??」  自分でも今までかつて聞いたことのないような音が口から飛び出した。文字にはしずらい音だ。強いて言うならば、"えぇ"とか"はぁ"とか疑問の言にこれ以上ないくらいに濁点をたくさんつけたような音。  そして目の前にいる彼――久保田樹(くぼたいつき)を凝視する。たっぷり数秒。無言のまま。 「今、何つった?」 「だから……僕には奥さんと、あと……彼女もいるんだ、それも二人……」
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