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 部屋に帰るまでは平静を装い、部屋に入った途端、私は狂喜乱舞した。お互いもういい年だ。付き合いが始まれば自ずと"結婚"の二文字が浮上する。    念願の寿退社だ。花束を持って、まだ結婚していない女性社員の前を颯爽と歩く自分の姿を想像し、私はベッドにダイブした。枕に顔を押し付け、足をバタバタさせる。  絶対にこのチャンス逃してなるものか。私は握りこぶしを作って、ベッドのマットを叩く。それでも喜びは抑え切れかった。
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