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 これにも首を横に振らざる得ない。愛人は二人だ。メンバー入れ替え制を導入するにはあまりにも少ない。  そこでようやく一つの過程にたどり着いた。樹は私に叱って欲しいのではないか。妻がいるのに愛人なんて作るなんてもっての外だ。反省しろと。    そうと決まれば私はためらわない。渾身の力で樹の頬を引っぱたく。   「痛っっ!!! えぇぇぇぇぇ!?」  頬に手を当て、キョトンとする樹を見て、私は凝固した。しばしの沈黙。やがて――。
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