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メールの内容が真実ならば、樹は綺麗な体になったということだ。妻と向き合うことを決め、その体裁を整えた、ということか。
全てを知ってほしいだなんて意味深なセリフを吐いていたにも関わらず、私もまた他の愛人同様にお払い箱だということなのだろう。
しばらく文言を凝視し、不覚にも涙した。まだ彼のことが好きなのだと痛感し、一方でメールでは、おめでとう。お疲れ様、と送るしかなかった。
私は恋はこうして幕を下ろした。即刻、電話帳から樹の電話番号を削除した。
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