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 私は大人になった樹に一目惚れしたのだ。    麺をすすりながら、私は夢中になって話をした。高校時代の思い手話から今までの話を。文字通り、会えなかった日々の隙間を埋めるように。  樹はほとんど言葉を発することなく、笑顔で私の話に相槌を打ち続け、そういえばこういう奴だったと懐かしく思った。    私はこの運命的とも言える樹との再会を"偶然、隣の席でラーメンを食べただけ"で済ますつもりは毛頭なかった。しっかり樹と連絡先を交換し、満足して帰路についた。
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