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「今日、飲みに行こうぜ」
真木の誘いに頷いた。
「ああ、いいな」
ビールのうまい季節になった頃だった。
「誰と飲みに行くと思う?」真木は顔からウキウキが溢れていた。
「誰? 二人じゃないのか……」
真木の無駄なウキウキが俺をウツウツさせる。だいたい見当がつく。真木がこの顔の時は相手が女性であることに。一気にやる気が失せて、やめておく、その一言を口にしようとする前に、真木が許すまじと俺を睨み
「強制参加。予定がないのは知ってる」
と、俺のこの日の予定が決まってしまった。
はあ、面倒くさ。
「せめて、ビールのうまい店を」とだけ伝えた。
「あっれぇ、聞かないの? 誰と行くか、聞かないの?」
聞いてほしいのか。
「言いたいなら、言え」
「経理部の人たち」
語尾にハートマークをつけて、真木はご機嫌だ。
経理部の女性と飲むのになぜそんなにご機嫌なのか。聞かなくても、勝手に話してくるのだろうと、真木の方に視線だけくれてやった。
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