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真木はぶれない。堂々と言ってのける。
「俺はモテたい」
「女の子が好き」
だから、その為の努力は厭わないのだ。
────営業先への同行。運転席には真木、助手席に俺
いつもの様に喋り続ける真木が、ふと大人しくなった。車のスピードを緩め、左手をちょいちょいと振った。
真木の視線の先には、この車線に合流しようとしている、車。運転席には若い女性。
その女性は不器用に一礼して、俺たちの車の前をこれまた不器用に走り出した。
車の流れ的に、十分合流出来ただろう。初心者ドライバーかなにかか……
「可愛いよね」真木が満足感そうに笑……ニヤつく。
「お前、ほんと、女好きだな。あんな一瞬恩を売って何になるというんだ。顔も覚えられなてないぞ」呆れてそう言った。
「ま、見てろ」
真木はそのままコンビニの駐車場へと入る。
ペットボトルのドリンクだけを買うと、再び駐車場で俺の待つ車に乗り込む気配もない。
しばらくすると、コンビニから出てきた女性と話してる。
……誰だ?
俺たちの社用車ではなく、隣の車の後ろに立つとその女性はその車に乗り込みぎこちなく、車をバックさせた。
「オッケー、それじゃ……」運転席の女性へと話しかけ、その車は走って行った。
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