Day 43 / Helicopter Grandpa has come

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祥は、挑むようにツァーリを見据え言う。 「パジャールスタ、ツァーリ。 どうか、お願いです。 あなたのアレクセイに、自由に何処の国にも行ける、翼を与えてやってください。 カリムから聞きました。 彼は、この国から自由に出られないと。」 ツァーリは唖然として祥を見る。 「…若造、本気か。」 祥は毅然として答えた。 「本気です。」 ダーチャは祥に駆け寄り、幼い子供のように泣き叫んだ。 「やだ!ショー、やだよ!そんなんじゃ、離れ離れになっちゃう!僕とずっと一緒に居たいってツァーリに言ってよ!」 ダーチャのその叫び声に、祥は身を引き裂かれる思いだ。俺だって、こんなの、望んでやしない。俺だって、ずっと一緒に居たい。 でも、二人の未来がそこには無いのなら 新しく未来を作るほかは無い。 そこに、運命を懸けるしか、残る道は無い。 祥は涙を滲ませて、詫びた。 「辛い選択をさせてごめん、ダーチャ。」 祥はダーチャの涙を優しく手で拭い、そっと抱きしめ、宥めるように額にキスをし、その真意を真摯に告げた。 「これは俺の我儘だ。 おまえが籠の鳥で居続けるのを知りながら、ずっと一緒に居る事に、俺が耐えられないんだ。 ダーチャ、 おまえを愛しているからこそ おまえを自由にしてやりたい。 ずっと一緒にはいられないかも知れないけど 技師として、F国に居ても、日本に居ても、 他の国に飛ばされても、 おまえが俺の場所へ飛べばいい。 会いに来ればいいんだよ。」 神さまは意地悪だ—— 祥の腕の中で、自らの運命を悟ったダーチャは、祥に縋るように慟哭し、泣き崩れた。
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