Day 44 / Returning home

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バハード帰還の朝が来る。 フェムナの駐車場に戻っていたボーリング機材や重機一式の点呼を終え出発を見送る。 祥は自分とダーチャの荷物を抱え、ダーチャと一緒に帰りのバスに乗る。 何だろう。 妙に回りからの視線を感じる…。 悪意や嫌悪でないにせよ、明らかにそれは、ダーチャと祥の関係に対してで、ここ数日のイチャイチャぶりは、完全に、現地調査チームの公然の秘密となっていた。 後ろに座るトモが乗り出してケタケタ笑う。 「本当、ショーさん、最高。武装警官にさえゲイバレしてんのに、警察行ってよく逮捕されないで帰って来られましたよね。」 祥はシートに座ると、苦笑する。 「お願いだからその話は勘弁してくれよ。」 「で、ショーさん、いつ日本帰るんすか?」 ダーチャが祥をぎゅっと抱いてトモを威嚇するように睨むと、祥はダーチャをの腕に優しく触れて宥めながら返事をする。 「暫く先かな。ビザの件で一回は帰国しなきゃだから。」 トモはダーチャの威嚇も意に介さず微笑んだ。 「じゃ、その時「二人っきりでバーにでも」飲みに行きません?ショーさんも東京でしょ。」 ダーチャはまるで番犬のように吠えた。 「ショー、行っちゃダメだからね!」 祥はクスクス笑うと日本語で言う。 「トモ、面白がって俺の可愛い番犬を刺激しないでよ。」 惚気に当てられたトモは肩を竦め席に戻り、微かに呟いた。 「俺、マジでショーさんのコト好きになりそうなのに、あんな大型アホ犬がいいとか、意味わかんない。」
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