Day 44 / Returning home

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ヤンのパスポート点呼を終え バスはフェムナの街を出発した。 公道に向かう途中、ダーチャと手を取り合う祥の視界に、真っ白なカンドゥーラが目に入る。 祥は叫ぶ。 「ストップ、ストップ!」 再びバスは急停車し、人気の無い場所で人の姿が見えた事で、バスの中は行き以上に騒然となる。 装甲車から降りた武装警官は、カンドゥーラの男を警戒し、銃を向けた。 祥は双眼鏡で人物を確認すると、双眼鏡をダーチャに渡して迷わず窓を開け、バス内が一気に緊張しパニックになる。 ヤンは呆然として見る。 「気でも狂ったのかよ、ショー。」 双眼鏡の先の人物を捉えたダーチャは言う。 「違うよヤン、古井戸のイマームが、立って僕たちを見送ってくれてるよ!」 ヤンも身を乗り出す。 「マジか!どこだよ!」 三人はバスから手を振って、あらん限りの声で叫ぶ。 「アッサラーム アライクム、イマーム!」 皆が無事でありますように。 平和でありますようにと、強く祈りながら。 それからまもなく。 チームF国のお馬鹿三兄弟は直ぐに同乗の武装警官に引っぺがされた上、きっちり窓を閉められ、危険過ぎる行為だとしこたま説教されて、皆の失笑を買った。
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