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第2話 華に口付けを
コンコン
「リア様 失礼致します」
姫の部屋のドアを引く
初めてこのドアを引いた時よりも軽く感じるのは気の所為ではないだろう。
ここへ来て2週間目の朝だった。
「おはようございます」
「おはようライト 待ってたのよ」
細い足音がパタパタとこちらに寄ってくる。
いつもはベッドの上で横になっていることの多い姫だが、調子が良いとこうして寄ってくるのである。
なんとも愛くるしい。
「体調は大丈夫なのですか」
「見ての通りよ 最近は調子がいいみたい」
その場でくるっと花柄のワンピースなびかせる。
体調が良い時は、どこかへ出かけるでもなくお洒落するというのが姫の中のこだわりのようだ。
よく似合っている。
「ねえライト 連れて行って欲しい所があるの」
姫はそのくりっとした大きな目で僕を見上げ、キラキラと輝かせる。
今日のお洒落は出かける用だったようだ。
そんな目で見られては、連れていかない訳にはいかない。
「お医者様に了解を得てからですよ?」
うんうんと頭がとれそうなくらい頷くから
その仕草が子供らしくて笑ってしまった。
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