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プロになれる人には限りがある。年齢制限もあるだろうし、その年齢になる前に体力が落ちてしまう人もいる。啓斗はまだ二十五歳にもなっていないが、今の体力が来年も続くかはわからない。
(ごめん、もうベッド入ったから動きたくない。避けてるわけじゃないからな?仕事とホッケーシーズンで最近ずっと忙しくてさ)
何でこんなばればれな言い訳をしなければならないのかと自分でも呆れるが、もしかしたら騙されてくれるかもしれない、という一縷の望みにかけるしかない。
(全然会いませんもんね、最近)
その内容はスルーして返事しない。
(調子はどう?)
(いいと思います。大学卒業してからは一番)
(じゃあ、期待していいわけだ)
(自分ではそう思いますけど、受ける人のレベルを見ていないので何とも)
メッセージのやり取りがもどかしい。壁を挟んで隣の部屋にいるというのに、手を伸ばせば届きそうな距離なのに、今はそのくらいの距離があった方がいいような気がして、もどかしいまま胸をかきむしる。
(いつか時間ある?トライアウト前、景気づけにご飯食べに行こう。何でもおごるよ)
(マジっすか。じゃ、高級焼き肉で)
(だと思ったわ!)
笑い、の絵文字を三つ連続で入れた。
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