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巧は内心、大きな不満を抱いた。
だけどそこで、いつもおじいちゃんやおばあちゃんに言われていることを思い出した。
おばあちゃんたちは、いつもこう言う。
「叱ってくれた人には、『叱ってくれてありがとう』って思いなさい」
そこでしょうがないので、巧はサクラコ先生に従うことにする。
「じゃあさ、今日はリュウくんが使ってよくて、
次はケンくんが使ってもいいよ。
でも、その次は、たっくんに貸してね」
そう言って、巧がリュウくんにスコップを渡すと、リュウくんは、
「ありがとう!」
と巧にお礼を言い、喜んでお砂場に走っていった。
サクラコ先生は、顔をくしゃくしゃにして笑った。
「いい子ね、たっくん」
そう言って、巧の髪をくしゃくしゃと撫でて、褒めてくれた。
巧は、ちょっといいことをした気分になって、とても嬉しかった。
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