俺、激おこです!

1/2
945人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ

俺、激おこです!

俺はイラついていた。 転校生が入ってから2週間。そこからずっと風紀室に籠りっぱなしだった。 それはもう仕事、仕事、仕事…… 「頭おかしくなるわ!」 「それは私も同じですから書類を少しでも減らして下さい。」 書類の山に埋もれ机が見えない。 成瀬のサポートが無かったら確実にこの二倍の書類があっただろう。失神しそうだ。 普通、この時期は何もないので暇の筈。だが、あの転校生が色々とやらかしまくっているのだ。 備品破壊に校則違反。鳴山副会長以外にも書記の双子、西条陽(さいじょうよう)(げつ)。会計の神楽坂晴樹(かぐらざかはるき)を籠絡。授業は出ずに生徒会室に入り浸り、それを藤堂会長と司以外は容認。それが理由で仕事が回らず、真面に仕事をしている藤堂会長と司は邪魔者扱い。お陰でこちらにも書類が回ってくる始末だ。 「う〜…それで?相変わらず取調室に来る事を拒否すると…ハァ〜…」 「そうですね。もう10回呼び出しましたが、執行部に邪魔されて一度も来ていません。」 「もういっその事こっちから行くか?破壊した備品の修理請求に怪我させた生徒への治療費に謝罪、その他諸々。あのモジャモジャには伝えなきゃ行けないからなぁ…」 「でも意外ですね。あのモジャモジャ、喧嘩が出来るなんて。」 そう、1番厄介なのは生徒に暴力を振るう事だった。まぁ、暴力沙汰を起こして前の学校を退学したんだ。喧嘩は出来るだろう。 しかも殴った理由が不明。被害生徒から有力な情報が得られないので本人に聞きたいのだが、結果がアレだ。 「本来なら退学処分物だよ…」 「それも理事長が許さないでしょうね。結果我々ではどうしようもありません。」 「せめて退学にできる決定的証拠があればなぁ…ハァ。」 突然バンッと扉が開く。びっくりして2人で固まる。すると顔を真っ青にした風紀委員の2名がいた。 「委員長!またアイツが暴れました!」 「!怪我人は?」 「今の所3人ですが、未だ暴れているので正確な数は…」 「分かった。成瀬、此処を頼む!」 「分かりました。お気をつけて。」 俺は移動中、モジャモジャの世話係もまともにしない執行部の面々の顔が浮かび、舌打ちをした。 現場は騒然としており、喧嘩が苦手な生徒は逃げ回っていた。何人かの風紀が止めようと奮闘しているが、意外とモジャモジャが強くて返り討ちにされていた。それを見た瞬間、普段温厚な俺もキレた。 モジャモジャに近付く。今年入ったばかりの風紀委員が俺を止めようとする。俺の平凡な見た目から戦えないと判断したのだろう。だがそれは間違いだ。 こう見えて俺、運動は司よりできんだよ。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!