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生徒会長は思う
俺は藤堂日向。
俺がアイツと会ったのは俺が中学2年の頃だった。当時俺は生徒会長に任命され、入学式に向けて忙しい日々を送っていた。
ある日、疲れ切ってふと新入生の書類を眺める。二枚目…つまり、次席の書類を見た瞬間、俺は目を見開いた。
一目惚れだった。
ソイツは中性的だが女寄りの顔立ちで、銀髪に青い目。まるで女神でも見ている気分になった。
入学式後試しに会ってみると写真より断然気に入った。すぐさま生徒会に誘うも断られた。
その後、彼の幼馴染である久城司が彼を連れて行った。あの時の俺を敵認定した表情と言ったら今でも笑いが出る。
そこからもしつこく付き纏った。俺を避ける為に風紀に入った時はどうしようかと思ったが、色んな口実を付けて彼を引っ張り回した。お陰で結構嫌われてしまった。
俺が高等部に入ってもソイツの噂話は途絶えない。
凄い嫉妬して物を壊した覚えがある。
そいつが高等部に入ってまた生徒会に勧誘したが、俺より先に風紀が躍り出た。そのまま彼は風紀に入り、瞬く間に実績を残して、後半からは委員長として活躍していた。これでは引き抜けない。
折角補佐の座を空けていたというのに…
それから暫くして、俺達が3年になるとすぐ転校生の書類を理事長から頂いた。
名前は…忘れた。羽佐間以外眼中にねぇし。
だが、暴力沙汰で退学になり、裏口入学したと聞いた時はすぐ嫌悪感を抱いた。
俺は羽佐間のような実力者が好きなのだ。親戚のコネで入った奴など気にいるわけも無い。
だから、雅が転校生に堕ちた事を知って俺達は驚いた。久城以外の他の奴はそれと同時に興味が湧いたみたいだが、俺は驚いただけでなんとも思わなかった。元々このメンバーは仲が良いわけでもない。仕事上一緒のいるだけでプライベートでの関わりは殆ど無かったからだろう。
そんな事を思いながら執行部のメンバーで昼食に行く。すると、いつもより騒がしい気がした。何故だと思いキョロキョロと見回すと、ソイツとバチッと目が合った。
俺は迷わずソイツの元へ行く。
必死に逃げようと人に揉まれながら移動する様が可愛らしい。
話しかけると嫌そうに答えてくれた。後ろで久城が鬼の形相で睨んでいるのが堪らなく面白かった。
結局は久城を連れて逃げられたが、絶対物にする。
俺は笑みを堪えられずに奥へ入った。
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