そして、アイドルデビュー♡

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そして、アイドルデビュー♡

  香川の予想通りに進んだ俺は、無事にこうしてアイドルデビューをしたというわけだ。 「みんなー、声援ありがとう! それじゃあ、けんちゃんから自己紹介、お願いしまーーす」  現実逃避しても意味がないと悟った俺は、何回も練習させられたセリフをとびっきりの笑顔付きで言ってやる。 「はい! 性別は男の子だけど、見た目は女の子。神様の悪戯によって生まれた、奇跡の存在。 本日一夜限りのアイドル、けんちゃんです!  みなさん、どうぞよろしくお願いします」  大振りのジェスチャーを入れながら用意された自己紹介をすると、客席が「うぅおぉぉーーーー!」と盛り上がった。萌え豚どもの調教が完璧すぎて、逆に不安になってきた。  そんなに調教されてると、なんか日常生活に支障が出てきそうで怖いよ。そして、その成果を俺が舞台の上から見ているというこの状況がもっと怖いよ。
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