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このあとどうするべきか迷った俺は、かりんちゃんにすがるように目を向ける。聡いかりんちゃんはファンサービスを一旦中止して、俺の方を見てにっこりと笑ってくれた。
「えっとー、次はけんちゃんと一曲だけ踊ってみたいと思います。
聞いてください、「制服は未成年しか着ちゃいけないと、誰が言った。」です! いつもみたいに、合いの手よろしくお願いしますー」
俺は笑顔を顔に張り付けたまま、このふざけたタイトルのイントロが流れてくるのを全集中して待っていた。
ーーああ、なんで俺こんなことしてるんだろう。
不意にそう思って泣けてきそうになるけれど、舞台に立ってる以上「笑顔でいなきゃ」という無駄なプライドがあったため泣きはしなかった。
俺がイントロで踊り出してミニスカートが揺れるたびに中身を凝視されてる気がするけれど、気にしちゃいけない。特にターンを決めた瞬間には「フォオオーー」なんていうゴリラのような雄叫びが聞こえてきたけれど、もう無視だ。
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