走馬灯(但し死ぬ目には当てないから、これはただの過去の回想)

1/9
前へ
/13ページ
次へ

走馬灯(但し死ぬ目には当てないから、これはただの過去の回想)

 時の始まりは文化祭。  俺は男子校ならではの女子に飢えた発想で「女装カフェ」なるものをクラスで催した。その中で俺は低い身長と童顔な顔を見染められて、クラスの皆んなに「ガチ枠」として女装をさせられた。  その結果として、後夜祭でクラスの出し物の中で最優秀賞を取った。普段通りであれば、クラスで一番ウケの良かった俺と香川が女装のまま登壇して図太い歓声を受けて終わるだけだった。  だけど今年は違った。最近人気急上昇中の地下アイドル「高橋かりん」ちゃんがサプライズで後夜祭にやってきた。  どちらか片方だけなら良かったのだけれど、二つの要因が重なったことで俺の未来に化学反応を起こすこととなったのだ。  そう、ここから俺の人生は狂いだした。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加