0人が本棚に入れています
本棚に追加
「イベントが今日で最後だからさ、無課金プレイヤーとしては一分一秒も無駄にはできないんだよ。あんまり邪魔はしないでね」
視線をスマホに向けたまま会話をしてるその様は、まさに廃ゲーマーだ。いつもはゲームを一時中断して離してくれるのに、今日に限ってイベント最終日とは。
「お前、俺よりゲームのが大事なのかよ! 俺の人生が、今、終わろうとしているんだぞ!!」
そう言っても、奴は宣言通りにゲームに集中したみたいで無反応だ。こうなっては何も出来まい。
以前にこうなった香川のスマホを取り上げてやったら、それはそれは怖かった。どこまでも無言で、何をしてくるわけもないが、怖かった。俺に言えることはそれだけ。
だから、俺は地団駄を踏みながらも大人しく待つ。
「あいつも香川に調教されたよなー」
「なー、大人しく待つことを覚えたんだもんな」
最初のコメントを投稿しよう!