0人が本棚に入れています
本棚に追加
聞き捨てならない言葉を吐き捨てた野郎は、ギンッと睨み付けておく。おい、俺は犬かよ。香川のやつは集中してる時にうるさくすると、その後一週間くらいは無視してくるんだよ。そんなの無理だろ、大人しく待つだろう。
本当ならふざけたことを言ったやつは黙らせたいけれど、俺が吹き飛ばした机を運んでくれてるので心の中で物申す。
「お前らツンデレかよ!」と。
香川はきりがいいところまで終わったのか、目を瞑って深呼吸をした後に俺の方を見た。
「んで、いつアイドルデビューするの」
「なんでデビューすることが決まってんだよ!」
香川の予定外発言にイライラして右足で強く床を踏むと、周りの野郎が一拍置いた後に一斉に跳ねた。その一糸乱れぬ動きに、無駄な絆を感じてしまう。
「その練習され尽くした団体技を見ると毎回思うんだけど、お前らはお笑い芸人かよ。芸人養成所に全員入校届け出してこいよ、絶対に受かるから!
そいで香川は、なんでその言葉を俺にかけてきたんだよ。「なんで女装でアイドル?」とか「アイドルなんか嫌だよね?一緒に断る方法を考えよう」とか言ってくれないの! もっと、なんか、色々とツッコめよ」
最初のコメントを投稿しよう!