海賊淑女‐バッカニアベルダムズ‐

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18世紀、ロンドン市内、昼 N「時はすこし進み、マリアンは強く育った」 N「石床が敷き詰められたロンドンの路。母が呑む為のビールを買い出し、マリアンは歩く」 (マリアン、ビールの入ったガラス瓶を抱えて歩いている) N「ビールは一杯で6プフェーニッヒ」 N「日本円でいえば1200円にもおよぶ高級品にして嗜好品」  マリアン、家の近くの路地へと入り込む。  足をひっかけられて転倒。 マリアン「ぐっ!?」 (酒の入ったガラス瓶を庇いながら倒れる) マリアン「ハリー」 ハリー「おいおい、マリアン。また呑んだくれ母ちゃんの使いか? お前も大変だな」  ハリーという大柄な少年。  取り巻きたち、笑っている。 N「彼らは街の自警団を名乗る悪ガキども。悪ガキなんて言葉を聞くと可愛げもあるが若いギャングと変わりはない。テムズのあちこちで起きた大火事のせいで木造家屋は軒並みなくなり、石や煉瓦造りの家も増えている」 N「その変わり目で住民の不安にかこつけて商売をしているのがハリーたちだった」
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