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街を歩いていると、いきなり美女にナンパされてしまった。しかも三人から。
彼女いない歴=年齢の悲しい男にも、ついにモテ期がきた。そのときは、大喜びをしていたのだが……。
夕闇に包まれた、小さな公園。僕はベンチに腰かけながら、言い争う三人の美女をなかばあきれながら眺めていた。
幸いなことに、あたりに僕ら以外の人影はなく、この修羅場を目撃される恐れはないだろう。
僕はこの状況からなんとかして逃げだしたい一心なのだが、どうにも彼女らは鋭い勘の持ち主らしく、逃げる僕を幾度となく見つけては口説いてくるのだ。
「あなたの健康から美を感じるの」
「きさまの魂は清らかそうね」
「きみの財布は心地よさそー」
だから、つきあおう。三人はそう締めくくり、手を差しだす。しかしながら、僕はそのどれも握る気にはならない。
だいたい、だから、ってどういうわけだ!? 話の前後が接続してないじゃないか。三人が三人ともわけのわからない理由だし、それで恋人になろうだなんて正気の美女の沙汰じゃない。
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