夏の日

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「だ、ダメ!これはブラウンのだもん!ホントは半分こしようと思ってたのに、途中でピンクちゃんとシロくんにあげちゃったから、もうこれだけしかないだもん!」 「いいじゃない!わたしだって飲みたいわ!」 「ダメ!ブラウンは具合が悪そうなんだもん!ブラウンのだもん!」 「飲みたい!欲しいわ!」 「イヤ!あげない!」 「ケチ!ちょうだいってば!」 「うぅぅぅ!ブラウンのだもん!」 「クロ、ありがとう。ほら、僕は元気になったから、それはミドリちゃんにあげようよ」 「え?ホントに?いいの?」 「うん、ほらね。ちょっと寝たら元気になったよ!───はい、ミドリちゃん。クロが頑張って持ってきてくれたんだ、きっと美味しいよ」 「わーい!ありがとう!───ゴクリ……はぁ、冷たーい!わたしカルピスだーい好き!クロちゃん、ブラウン、ごちそうさま!」 空っぽになったグラスの中、真ん丸で小さくなった氷が三つ。 せっかくブラウンのために作って持ってきたのに。 カルピスはブラウンの口には入らなかった。
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