終戦!!!

1/1
前へ
/4ページ
次へ

終戦!!!

ピリリリリリリリリリリ…….. 防犯ベルの音が鳴り響いた。 かかった。祐太がクローゼットを開けたんだろう。完全しょ….. 「ママー、なんかブザー鳴ったんやけど。」 何!祐太じゃない!? 髪を乾かすのをやめて、クローゼットの方に向かう。 「ひなちゃん、どうしたん?」 「体温計とろって思って開けたら急に鳴った。」 「そーなん、熱あるん?」 ブザーの栓をつけ、音を止めた。 「わからんけど、祐太が熱あるんちゃうんって言ってったから。」 その一言で全てを悟った。 はめられた。この私としたことが、こんな簡単な罠に気付かないなんて。 急いで洗面所に戻り、スマホを探すが見つかるはずもなかった。 一本取られた。ひなちゃんを上手く誘導してトラップを発動させ、洗面所が留守になった瞬間をねらって空き巣に入られた。 祐太の部屋の前に来た。扉を開ける。 そこにはスマホをひざに乗せ、まるでペルシャ猫のように撫でている祐太の姿があった。 「どうしたんだいmy mother?あわてた様子だが。」 がっくりとひざから崩れ落ちる。 「どうやら今回は僕の勝ちだったようだね、楽しかったよ。また次のゲームも期待して待っているよ。」 こうしてこの戦争は幕を閉じた。 もう二度と、こんな争いが起らないことを願う。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加