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終戦!!!
ピリリリリリリリリリリ……..
防犯ベルの音が鳴り響いた。
かかった。祐太がクローゼットを開けたんだろう。完全しょ…..
「ママー、なんかブザー鳴ったんやけど。」
何!祐太じゃない!?
髪を乾かすのをやめて、クローゼットの方に向かう。
「ひなちゃん、どうしたん?」
「体温計とろって思って開けたら急に鳴った。」
「そーなん、熱あるん?」
ブザーの栓をつけ、音を止めた。
「わからんけど、祐太が熱あるんちゃうんって言ってったから。」
その一言で全てを悟った。
はめられた。この私としたことが、こんな簡単な罠に気付かないなんて。
急いで洗面所に戻り、スマホを探すが見つかるはずもなかった。
一本取られた。ひなちゃんを上手く誘導してトラップを発動させ、洗面所が留守になった瞬間をねらって空き巣に入られた。
祐太の部屋の前に来た。扉を開ける。
そこにはスマホをひざに乗せ、まるでペルシャ猫のように撫でている祐太の姿があった。
「どうしたんだいmy mother?あわてた様子だが。」
がっくりとひざから崩れ落ちる。
「どうやら今回は僕の勝ちだったようだね、楽しかったよ。また次のゲームも期待して待っているよ。」
こうしてこの戦争は幕を閉じた。
もう二度と、こんな争いが起らないことを願う。
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