開戦!!!

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開戦!!!

平和な日々に、突如暗雲が立ち込める。 信じられないことに、お母さんが、自分からスマホを取り上げたのだった。 自分は何度も抗議をしたが、聞く耳を持ってくれない。何を言っても、「テスト期間中はスマホ禁止って決めたやろ。」と訳の分からないことを言うだけだ。 ……許せない!!! 俺、祐太(13歳)は決心した。 この母親に全面戦争を仕掛けることを。 どんな卑怯な手を使ってでも、あれを取り返す。 まずは作戦を立てよう。何かを企んでいることを親に悟られぬよう、出来るだけ悔しがる素振りを見せたまま部屋に戻る。 リビングのドアを閉める際に、今の家具の配置を確認する。 じゃあな。勝つのは俺だ。 私、優子(39)は気付いていた。 あの祐太がこんな簡単に諦めるわけがない。こういうときは何か企んでいる、ということに。 私は見逃さなかった。あの演技臭い去り方の後に、一瞬、確かにこっちを見ていた。それも悲しみの目なんかではなく、まるで獲物を見つけたライオンのような鋭い目で。 多分何か仕掛けてくるはずだ。今のうちに準備をしておかないと。 残念、勝つのは私よ。
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