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──誰かどうか助けて欲しい。
純粋で全く悪意が無いだけに、惚気話かと簡単に切り捨てられない。そもそも、その辺りの知識も乏しいから、起こる疑問なわけだが、しかしそれを未経験の僕の口から語り聞かせるのも可笑しな話だ。どうにか当たり障りなくやり過ごすしかない。
「だ、大丈夫だ。陛下は繊細な方だから、ロポに気を遣っているだけで、その……子作りが嫌になったわけではない、かと」
「……ほんとに?」
涙を拭って僕を曇りの無い目で見てくる。期待されている。
「恐らくだが……未成熟なロポに、強いたくないとお思いなのだ。番になるために必要だっただけで、そうでもなければ、ロポも応じなかったはず、と」
よもやこれは拷問ではないだろうか。何故このての話が苦手な上、全く未経験な僕が、アドバイスなどしているのか。
「だから……ロポの気持ちを伝えたら、いいんじゃないか」
「うん! 城に戻ったらアルに子作りしたいって言う!」
──陛下、申し訳ありません。僕はとんでもない助言をしてしまいました。どうかお許しください。
表情がパッと明るくなり、喜んでいるロポを見詰めながら、この後起こるだろう出来事に深謝した。
「おい、スウード。誰だその子は?」
声に驚いて振り返ると、警備の交代にやってきた同僚が不思議そうに僕と丈の合わないローブを頭から被っているロポを見る。
「用水路から流れてきたんだ。水浴びをしようとしたらしくて、服も着ていないし、宿舎で何か服を着せて門まで送っていくよ」
「そうか、大変だったな、坊主」
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