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数日後、陛下直々の書状が届き、内容は抑制効果試験への協力依頼だった。実を摂取後に城の警備員と共に塀の中に入り、その後は城内で過ごしながら、開発された抑制剤の試験と経過観察を繰り返すというもの。
僕はすぐに勅命に従い、迎えの荷車で城へ招かれた。ひと月ぶりに見た陛下は、少し疲れているようではあったが、僕の来訪を喜んでいるように見えた。
城には平常時に発情期のΩが近づかないように注意が払われることになり、僕は部屋からほとんど出られなかった。
しかし、陛下ともロポとも対話することができた。陛下はこの研究の結果、抑制効果が確認されたら、以前のように従者として働いて欲しいと僕に仰ってくださった。
だから、僕はどうか成功して欲しいと祈りながら、真摯に研究に取り組んだ。
発情期のΩと囲い越しに対面して変化があるかの試験を何度か行ったが、平常時とほぼ変わりないことが確認された。「ほぼ」というのは僕が誘引ではなく、Ωの発情期を初めて目にしたことによる動揺が見られたからなのだが……
その後抑制剤として、実から有効な成分を抽出したものが開発されることになったが、ひとまず実を一日一粒摂取することで効果があることが確認されたため、僕は正式に部屋から出て、陛下の従者として働くことが決まった。
「陛下、再びお仕えできること、深く感謝申し上げます」
胸に手を添えて頭を下げると、書面に目を通していた陛下は空になったカップを持った。
「……ちょうど紅茶を飲みたい気分だった。淹れてきてくれ」
「はい、畏まりました」
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