壱 厄病神と死神

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――これで調査は終了だな。 そう無理矢理にでも思いたかった萩だったが、男は思わぬ言葉を口にした。 「ただ、まだ疫病神(やくびょうがみ)がこの村に居る……」 「疫病神、ですか?」 「あぁ。前の神主の子供と婆さんだ。そいつ等は生きて罪を償う為に、この村で生活してる。白い髪に赤い目…… 本当に気味が悪い」 その言葉を聞いて、萩は心の中でひっそりと溜息を付いた。 ――調査続行か…… 「最後に一つ、霊や妖を操る者の噂を小耳に挟んだのですが…… もしかして、その祟りと関係があったりしませんか?」 「さぁ、知らねーな…… さては兄ちゃん、怪談話が好きなのかい?」 「あはは。バレちゃいましたか…… でも、赤血神社への参拝は止めにしておます。貴重なお話ありがとうございました」 めんどくさいと思う気持ちを笑顔で隠し、礼を告げ萩は男と別れた。 ――神遣いの次は神様怒らせた金狂いと疫病神…… 阿保らしいと思いながらも、それに付き合わされている自分も大概だと笠を被り直す。
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