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――これで調査は終了だな。
そう無理矢理にでも思いたかった萩だったが、男は思わぬ言葉を口にした。
「ただ、まだ疫病神がこの村に居る……」
「疫病神、ですか?」
「あぁ。前の神主の子供と婆さんだ。そいつ等は生きて罪を償う為に、この村で生活してる。白い髪に赤い目…… 本当に気味が悪い」
その言葉を聞いて、萩は心の中でひっそりと溜息を付いた。
――調査続行か……
「最後に一つ、霊や妖を操る者の噂を小耳に挟んだのですが…… もしかして、その祟りと関係があったりしませんか?」
「さぁ、知らねーな…… さては兄ちゃん、怪談話が好きなのかい?」
「あはは。バレちゃいましたか…… でも、赤血神社への参拝は止めにしておます。貴重なお話ありがとうございました」
めんどくさいと思う気持ちを笑顔で隠し、礼を告げ萩は男と別れた。
――神遣いの次は神様怒らせた金狂いと疫病神……
阿保らしいと思いながらも、それに付き合わされている自分も大概だと笠を被り直す。
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