壱 厄病神と死神

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しかし、村人の様子からこれ以上赤血神社の事など恐れて教えてくれはしないだろう。それにこの馬鹿げた案件だ。彼自身気乗していない。言い訳でも作って国に戻ろうかと考えながら、干からびた村をふらふら散策していた。 その時だった。 「やーい! 疫病神!」 「お前の親のせいで村が呪われたんだぞ!」 そう叫びながら、けらけらと笑う子供の声が遠くで聞こえてきた。 ――疫病神ね…… まるで引き返すなと言わんばかりの言葉に、うんざりしながらも声の方へ足を進める。 目視できる距離に近付くと、木陰に隠れながら様子を伺う。別に子供の戯言だ。ここまでしてしまうのは彼の職業病だろう。 様子を見るに、蹲っている一人の子を囲んだ三人の子供達が石を投げつけ罵詈雑言を浴びせている。ただの喧嘩でない事は一目瞭然だった。 ――あぁ…… めんどくさい…… そう思いながらも、萩は近くに落ちていた石を拾い、子供たちの方へ投げつけた。すると、虐めっ子が投げた石とぶつかり、かちんと音を立てて跳ね返える。これは手裏剣を打ち落とす時によくやる技だ。
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