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せせらぎが耳に心地よい、川のほとりに腰をおろす。いっときの休憩にみんなは疲れの滲む顔をほころばせていた。
太陽の輝く光の粒が舞い降りて、川は虹色に染まっている。
「アリー、私ここに棲みたいな?」
種子の中の一人がそう言うと、途端にみんなが同調した。
アリーは考える。
ここは水も近く、太陽の光も届き、土も元気一杯だ。
「よし、ここなら――」
「あら、だめよ!!」
そう言って飛んで来たのは青い花の妖精ネモだった。
「もう私の種子たちが土の中に潜り込んでいるのよ! ここは青い花が咲く場所。白い花は他を探して?」
ネモの言葉にアリーたち白い花の種子はみんながっくり肩を落とした。
「仕方ない。白い花にぴったりの場所を探しましょ!」
アリーたちはネモに手を振って、川のほとりからまた旅路に戻っていった。
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