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そして、姉にもまたチーズケーキを取らなければならない理由があった。
イチゴのケーキに、妹を殺すための毒を仕込んでいるからだ。
いつもイチゴのものは、問答無用で姉である自分が取っている。だが今日は、それを妹に譲ろうと考えていたのだ。
妹が毒で死んでは、まず自分が疑われるだろう。
だが、本来は私が食べるはずだったケーキに毒が入っており、たまたま譲ったばかりに妹が死んだとなれば、話は変わってくるだろう。
だから、いつもなら自分が食べるであろうイチゴのケーキに、毒を仕込んだのだ。
それなのに妹は、姉の毒入りケーキという好意を、頑なに受け取ろうとしない。
絶対に、顔に出してはいけない。悟られるわけにはいかない。
(どうしていっつもいっつも……私の足を引っ張るのよッ!)
二人はイチゴのケーキを譲り合い、そしてどちらも、どうにかしてチーズケーキを取ろうと、静かに、しかし必死に、笑顔を浮かべて攻防を繰り返していた。
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