無意識ト幻覚ザイ

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「カナ、お父さんの様子はどう?」  カーテンの隙間から顔だけを出すようにしてさっきの看護師、ミユキが声をかける。  やっぱりだ、と私は思う。 「あっ、ミユキ。うん、返事はないけどね。ちゃんと私の話を聞いてくれてるみたい」 「そう、それならよかった。私ね、今ちょうど勤務時間が終わって着替えてきたの。よかったら一緒に夕飯を食べに行かない?」 「あら、そうなの! うん、行こう! 一緒に食事なんて学生の時以来ね。うれしい!」 「決まりね! じゃぁ、ちょっと先に外で待っててくれる? 最後にお父さんの様子を確認するから」 「さすがミユキね。頼りになるなぁ! うん、じゃぁ先に病院の外に出てるから」  カナがカーテンの外に出る。代わりにミユキが入ってくる。
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