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人気者
夏休みも終わり、今の所全てが順調だった。
勉強も野球の練習も今まで以上に努力を続け、そしてあの頃は何に対しても興味がなくお洒落には無頓着だったが、服装や髪型も変えてみた。
すると、学校では人気者でも何でもなかった僕にクラスの女の子が話しかけて来る様になった。
「ねーねー隆太君、その髪型かっこいいね!どこで切っているの?」
「その服もお洒落だね!」
当時、僕が片思いをしていたクラス一番の女の子も話しかけてくれた。
産まれて初めて女子からの人気が高くなった事に正直嬉しかった。
そんな人気者に生まれ変わり、男子からも遊びに誘われたり、頼られたり、今まで体験した事のない嬉しさに浸っていた。
その日の帰り道だった。
「隆太君。一緒に帰ろ?」
そう声を掛けてきたのは、初恋をしていた彩だった。
「お、おう。」
その帰り道、色んな経験をしてきた僕だったけれど、彩の目を見てまともに会話をする事が出来なかった。
「それじゃー隆太君、またね!」
彩の笑顔が可愛くていつも遠くで見ていた憧れの笑顔が、こんなに近くで見れた事がとても幸せだった。
そんな有意義な生活が過ぎていき、あっという間に小学校を卒業する事になった。
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