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はいと肯定すると、男性が頷く。
「僕も子ども好きなんですよ。気が合いますね」
男性が人懐っこい笑みを浮かべ、つられて真衣も口角を上げる。子どもが相手なら自然な笑顔ができるが、今はぎこちない笑みになっていないか心配だ。
――私、イケメンに免疫ないのかも。
「動物は好きですか?」
「えぇ、犬が好きで」
今は一人暮らしをしていて面倒がみれないとわかっているから飼えないが、実家ではずっと犬を飼っている。
「わ! 奇遇ですね。僕も犬が好きなんですよ。犬の散歩をしながらジョギングするのが夢なんです」
体育会系営業マンが目を輝かせる。少年の心を持ったまま大人になったようだ。
「戸建てもいいけど、安全面や管理を考えるとマンションですよね。ペットオッケーのマンションもだいぶありますし」
「そうですね」
実家は戸建てだ。母は真衣が学校に行っている時間だけパートで働いていたし、番犬もいた。もし将来、子供が生まれたとしても真衣は母のように子供が学校から帰ってくる時間に家にいることはできない。学級通信をつくったり、子どもたちが提出した課題を見たりと仕事が多い。
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