愛と探偵、パラキート

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「えーと、どこまででしたっけ?」 空港に、と言いかけてやめた。もう飛行機の中かもしれないし。どうせなら。 「アメリカまで行けるかな」 「それは……大変ですよ?」 ですよね。 「じゃあ超特急で空港までお願いします」 もう一度彼女に会って、何て言えばいいだろう。 「正直に言えばいいですよ。僕みたいに」 鳥居が恥ずかしそうに笑った。 夜の街を飛ぶ。 乾燥した涙のあとがヒリヒリするのを小松は感じた。
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