愛と探偵、パラキート

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小松は自転車を探偵に渡した。 僕も出来るなら追いかけたいのに。 「後でちゃんと返すから、な」 【私立探偵 空木(うつろぎ)】 手渡された名刺には、シンプルにそう書かれていた。 「君は?」 空木が、自転車にまたがる。 「小松です」 「ありがとう、小松くん」 「ちょっと待ってくださいー!」 小松と同じくらいの歳の細身の男子が、二人に近づく。 「その自転車、僕に貸してもらえませんか?」 「何でですか?」 小松は謎の男子に尋ねた。涙は止まっていたが胸の痛みは相変わらず続いていた。 これが失恋か。 「世界制服を企む悪い奴を追うためです。お願いします!」
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