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第一章/36
「こっちは迷惑してるんだ。……レイ、お前に付きまとわれて、嫌な思いをしてるんだよ」
「どうして? 愛し合っている者同士が仲良くするのは、当然のことじゃないの」
「俺は嫌がってるんだ! 俺は男じゃなくて、女の子が好きなんだ! わかったら、金輪際、俺に近づくな!」
「……どうして?」平坦な声で、レイが繰り返した。
「昔はあんなに優しかったのに……。『俺がお前を守ってやる』って、言ってくれたのに……。どうして、そんなひどいことを言うの?」
再び、少女たちがどよめいた。
「わ、私たちのレイ様になんてことを……」
「下等種のくせに、生意気すぎるよ……!」
悪意に満ちたひそひそ声が、彼女らの口から次々と漏れる。
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