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第一章/25
「真昼を侮辱する発言だけは、どうしても許せない。この子を傷つける者は、全員、俺の敵だ」
……なぜだろう。
責められているのは竹中なのに、なぜかしら、強烈な畏怖と恐怖を感じる。
笑みを収めたレイの顔を見ていると、それだけで、冷たいものが背筋を駆け上がってくるのだ。怒気をぶつけられているのは、あくまで、竹中ひとりであるはずなのに……。
怖じける真昼とは対照的に、秋吉の態度はごく淡々としていた。柳眉をひそめたレイを前にしても、表情ひとつ変えない。
「海斗。帰るぞ」
「えっ、」
竹中が振り返る。
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