序章/5

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序章/5

 しばらく呆然と棺やら雪やらに目を向けていたところ、 「……っ、」  頭に、──続いて、双の瞳に、針で刺されたような痛みが走った。と、同時に、面前に、文字と数字の羅列が出現する。 「月城貴史(つきしろ・たかし)/熊本市七藤町(くまもとしななふじまち)在住/職業・学生/体力C/回復力B/頭脳B/耐久B/魅力C/スキル・治癒(人間型生物のみに有効)、解毒(人間型生物のみに有効)/総合ランク・255050/……、」  視界の片隅に浮かぶ半透明の文字をそのまま、読み上げる。こがね色に瞬く雪を、振り払いもせずに──ひたすら、目を白黒させながら。
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