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「…ほんと、どうしようもねえな」
いつからこんな自分になってしまったんだろうと考えたところでもうとっくに手遅れだ。
今の自分は、自分が経験した全てで形成されている。
皮肉もいいところだな、と自嘲ともとれる笑みを零しては酔い醒ましに買った水を体内に流し込む。
これでもかというほどに冷えたそれが俺の心をより一層凍えさせた。
「……」
何気なく手に取ったスマホの画面を確認する。
時刻的に二次会に行っている頃だろうなと思いながらゆっくりと足を進める。
…紬ちゃん、楽しんでんのかな。
あの子に限って酔い潰れるとかはないか。ちゃんとセーブしそうだし。
なんなら潰れた子をせっせと介抱してそうだな。
楽しんでるなら、それでいい。それがいい。
いっぱい笑って、飲んで。
そんで、出来れば一回…
…一回でいいから、俺のことを思い出してくれたらいいな、と思う。
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