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帰り支度を済ませて店の外へ出ると、びゅうっと吹いた風に伸びた前髪が靡く。
アルコールの匂いを漂わせながらゲラゲラと笑う集団から目を逸らし、規則的に動いている足元を見つめた。
どれだけ振り払おうとしても、昼間の光景が脳裏にこびりついたように離れない。
もし、三春と紬ちゃんが。
そう考えるだけで頭痛がした。
考えすぎだって事は分かってる。
自分の友達と恋人が、なんて。そんなこと早々あるもんじゃない。あってたまるか。
そもそも紬ちゃんも三春も、そんな人間じゃ…
…ああ。
そういや、“あいつら”のこともそう思ってたな。
そんな人間じゃないって、バカみたいに信じてた。
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