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「私、タイプとかそういうのよく分かんなくて…」
「えー何それ?好きになった人がタイプって感じ?」
「うん、まぁ、そんな感じだと思う」
ふーん、と言いながらもあまり納得がいってなさそうな莉奈はちらりと“あの三人”を見遣ってから、また私を見る。
「じゃあさ、“あの三人”の中では?誰がいい?」
さらに答え難い質問が来た。
「……」
美鈴の肩の向こう、数メートル先。券売機に並ぶキラキラオーラを纏う三人をまるで盗み見るように見つめた。
ダークブラウンの髪にふわふわパーマをかけていて、くっきり二重が特徴的な柳先輩。あの甘いフェイスにみんな虜になってしまうんだって、莉奈が言っていた。
そんな柳先輩の右隣に居るのが、三春先輩。金に近い短髪、耳には幾つものピアス。一見怖そうだけど笑顔が人懐っこくて、そのギャップが堪らないって、これも莉奈が言っていた。
そして、あとひとり――…
「…左の、黒い服の人」
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