第一章・輪廻の種子、麗しの舞姫

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「ジャスミンッ!!」  バタバタと走りよると、ジャスミンは「しーっ」と人差し指を自分の唇に当て、静かにする様注意する。 「アイーダ、まだみんな寝てるわよォ静かに」 「そっ、そうだけど・・・。ていうか、どうしたのよその恰好、服はっ?」  声を潜めながら聞き返した。 「エ?ああ、踊りの後カービド様に誘われて、ワタシも狙ってたからほんっとラッキーだったわ。一晩中やってたら服がぐちょぐちょになっちゃったの~。カービド様が新しいのを用意してくれるって言ってるからシーツ借りてきちゃったのよ、シーツもぐちょぐちょだけどッ」  何の事は無しにケラケラと答えるジャスミンに眩暈がする。  よく見れば、シーツにもあちこち多数の大きなシミ。  情事後の特有の匂いが鼻に突き刺さった。 「そんな、あれ舞台衣装でしょ。座長に怒られるわ」 「平気よ、平気。その為のチップじゃナイ」  ジャスミンは変わらずケラケラと答えた。 「ソレにカービド様、ワタシの匂いのついた衣を手元に置いておきたいって。イヤン」  もう、羞恥と眩暈で頭が爆発しそうだ。 「やっ!!やっぱりダメよ!!わたしが洗うから返してもらって!!」 「エェ~~~?」  ジャスミンは何がダメなのよと言わんばかりの声を出す。 (どう考えたって良い訳ないじゃないッ!!) 「ダメよアイーダっ」  止めようとするジャスミンの声に気付かぬまま、ノックすら忘れ来賓客部屋のドアを勢いよく開けた。 (!!!)  この状況には固まるしかない。  部屋の広い寝台ではカービドとその妻が一糸纏わぬ姿で戯れていたのだ。
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