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「ジャスミンッ!!」
バタバタと走りよると、ジャスミンは「しーっ」と人差し指を自分の唇に当て、静かにする様注意する。
「アイーダ、まだみんな寝てるわよォ静かに」
「そっ、そうだけど・・・。ていうか、どうしたのよその恰好、服はっ?」
声を潜めながら聞き返した。
「エ?ああ、踊りの後カービド様に誘われて、ワタシも狙ってたからほんっとラッキーだったわ。一晩中やってたら服がぐちょぐちょになっちゃったの~。カービド様が新しいのを用意してくれるって言ってるからシーツ借りてきちゃったのよ、シーツもぐちょぐちょだけどッ」
何の事は無しにケラケラと答えるジャスミンに眩暈がする。
よく見れば、シーツにもあちこち多数の大きなシミ。
情事後の特有の匂いが鼻に突き刺さった。
「そんな、あれ舞台衣装でしょ。座長に怒られるわ」
「平気よ、平気。その為のチップじゃナイ」
ジャスミンは変わらずケラケラと答えた。
「ソレにカービド様、ワタシの匂いのついた衣を手元に置いておきたいって。イヤン」
もう、羞恥と眩暈で頭が爆発しそうだ。
「やっ!!やっぱりダメよ!!わたしが洗うから返してもらって!!」
「エェ~~~?」
ジャスミンは何がダメなのよと言わんばかりの声を出す。
(どう考えたって良い訳ないじゃないッ!!)
「ダメよアイーダっ」
止めようとするジャスミンの声に気付かぬまま、ノックすら忘れ来賓客部屋のドアを勢いよく開けた。
(!!!)
この状況には固まるしかない。
部屋の広い寝台ではカービドとその妻が一糸纏わぬ姿で戯れていたのだ。
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