第一章・輪廻の種子、麗しの舞姫

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「何してるんだ!!」  声がした瞬間に自分を挽く力が反転する。 「またおまえかぁっ!!いい加減ワシの邪魔をするな!!」  上機嫌だった王が再度激昂する。 「邪魔?彼女が嫌がってるのが分からないのかよ!耄碌爺(もうろくじじい)!!」  昨晩の再現をしているかのように、ルトはアイーダを自分の背に隠し王と対峙した。 「小童の分際でどこまでこのワシを愚弄するかあッッ!!!」  そう叫び、怒りに我を失った王が佩刀(はいとう)を抜いた。 (嘘―――ッッ!!)  まさかの事態に背筋が凍り付く。  スローモーションのようにジャービル王がルトに斬りかかってくる―――!!  ルトの背後で恐ろしくなり思わず目を瞑る。 「うわーあああああああ!!」  頓狂な叫び声が耳に入る。  紛れもなくジャービル王のものだ。  恐る恐る目を開けた。  なんと天井を突き抜けんばかりの大きな魔神が、ジャービル王の襟首を指先で摘み、自分の顔辺りの高さまで持ち上げていたのだ。
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