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(ルト、いい人だな。もしかして本当に佐藤くんだったりして)
そんな期待が高まり気付いた時には質問をしていた。
「あ、あのっルトは今の自分になる前のずっとずっと前の記憶とか、あると思うっ?」
「ん?えーと。そうだなぁ、そういうのって僕もあると思うよ。こうしてアイーダと会えたのも何かの縁だと思うし、将来僕の隣に君が居てくれたら」
希望に満ちた響きに初めて胸が高鳴る感覚を得る。
「はあい、すとっぷぅぅぅぅぅ!!アイーダ恋人とイチャつきたいのはわかるわよォ!でも休憩時間終了でぇぇぇすぅ!!」
サナがパッツン切りの黒髪を揺らしながら、ずいっとふたりの間に顔を突き出した。
「ち、ちがっ」
「是非そうなりたいよ」
ルトの爆弾発言に周囲は色めき立ち歓声を上げた。
戸惑いつつも、アイーダは内心まんざらでは無かった。
なんだかくすぐったくて照れくさい。
この世界の住人になって初めて得た春の様な想いだった。
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