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♯1 誰だって1人じゃ強くなれないから
高校1年生になってまだ、数日が過ぎたばかり…
そんな中で莉桜は話せる友達とか先生にも
いまいち馴染んでいなかった。
本当は女子校に入るつもりだったのに、
見知らぬ男子がたくさんいて、
なんだか怖い人もたくさんいる志騎高に入学してしまったのだ。
「まぁ、女の子も居るし大丈夫よね」
そう思って、ぐっと握り拳を作ってみる。
気合いを入れてみたポーズだった。
特に誰か見てるわけじゃないが…
なんとなく、やりたくなったのだ。
こういうことをしてると、気持ちが違ってくる。
今は放課後で下駄箱まで降りてきたが、
とても静かだった。
賑やかな校内が夕方やけに静かで怖い…
入学当初から、不良に絡まれたりと散々な目にあっていたので、ついキョロキョロと辺りを見回してしまう。
「この学校でやってけるかなぁ…」
さっきとは裏腹の本音が溢れた。
下駄箱を開けて靴を取り出すと、
その中には手紙が入っていた…
もしかして…
いやいやまさかね…
初めてみたが、ラブレターというやつだろうか。
手紙という古風なやり方は今時あまりない。
携帯で告白してきたりするような時代だ。
やっぱりこういう学園だからこそこういう「手紙」
なんて書いて送ってくるのかな?
恐る恐る手紙を開く。
1年B組 輝田莉桜様
とパソコンで打たれた文字の下に、
【いつも見てるよ】
ただそれだけ書かれた気味の悪い手紙だった。
怖くて近くのゴミ箱に投げ入れ、
すぐさま下駄箱を後にした。
見なかったことにしよう、
大丈夫…
忘れちゃえばいっか…
その日は何もなく自宅につき眠ろうとしたが、やはり頭からあの手紙が離れてくれなかった。
捨てたはずの手紙…
毎日、毎日、どんどんエスカレートしていき、下駄箱を開ければ手紙が置かれるようになっていた…
【どうして捨てたの?】
【ねぇ、僕が誰かわかる?】
【今日も可愛いね】
【早く会いたいな】
文面とは別に写真まで入っていた、
親に話そうか迷うが、やっぱりここは先生かな…
1週間ばかり1人で耐えたが流石に限界だった。
職員室に向かおうと歩き出すと、
曲がり角で誰かにぶつかってしまった。
「きゃ」
思わず尻餅をつく、
「だ、大丈夫…ですか?!」
痛たぁ…なんて言いながら顔をあげると、
目の前には強面なガッチリ決めたリーゼントがトレードマークのかなり目立つ人物が立っていた。
入学初日から気合いが入った人だとみんなから注目されていたのは覚えている、
名前は知らないけど…
「あの…大丈夫ですか?」
莉桜がぼんやりしてると
もう一度、声をかけてくれた。
「あ、ごめんなさい…ちょっと考えごとしてて!」
「いえ、別に大丈夫です…これ」
落とした手紙を拾ってくれた。
「…ありがとう…」
せっかく拾ってくれたのだが、
全然有り難くない気持ちだったのが申し訳ない…
去っていこうとするその姿を見て、
ふと思う、もしかして彼といればこの手紙来なくなるんじゃないか…
あの見た目だし、向こうが怖がるかも。
そう思ったら、過ぎ去る彼を呼び止めていた。
「あの!」
大きな声にびっくりされたが、
お構いなしに続けた。
「…私は1年B組の輝田莉桜っていいます!」
「…は、はい?」
どうしたら良いのか目の前の人物は困惑していた…
「助けてもらえませんか?」
勇気を出した問いかけに、外を向いていた体をこちらにむけて「話を聞かせてもらっていいですか?」と真剣に向き合ってくれた。
今まであった出来事を話した。
彼は、自分のことはコーヤンって呼んでくれ、なんていうから、莉桜も下の名前で良いよって言ってからは、すぐ打ち解けることができた。
コーヤンは下の名前では呼んでくれなかったがフラットに会話してくれる。
この学園に入って同学年でこんな話をする相手が、まさか注目されていた彼だとは…
失礼かもしれないが少し嬉しく感じていた。
あの見た目もあるし、
なかなか話せる相手ではないだろう。
一度クラスに戻り、
夕焼けの差し込む教室でコーヤンは悩んでいた。
「先生だと探すのが難しいかもな」
犯人に対する目星をつけるために、
悩んだコーヤンがそう言った。
先生に相談しようと思ったが、
確かに難しいのかもしれない。
手紙だけっていうのも中々犯人の尻尾を掴めない…
まだ何かをされたわけじゃないし、
相手が誰かわからない。
「どうしよう」
私がため息をつくと、コーヤンが一つ案がある、と言ってペンと紙を私に渡してきた。
「逆に手紙を出そう、会いたいって書いたら返事が来るかもしれない…」
「えっ?!」
あまりのことに驚いた、そんな危険なことをするのはどうなのか…いや、でもなんかあったら彼が居るから大丈夫!そう思っていた。
「一緒に来てくれるんだよね?」
そう聞くと、
「勿論!俺が後ろからついていく」
そう強く言ってくれたのが凄く心強かった…
後は手紙を書いて、下駄箱に入れて…
向こうからの返事を待つだけ。
帰り道は危ないからと、
コーヤンは家の近くまで送ってくれた。
見た目と反して凄く優しくて、
本当に心強かったから、
莉桜は安心して家で眠りにつく事ができた…
…
輝田と約束した通り登校も一緒に行くために
朝、迎えにいこうと早めにいつもと違う道を歩いていた…
違和感はすぐに感じられた。
何というか、ずっと同じ人が同じ方向を歩いていた、凄く変な感じだ。
無いことは無いだろうが目の前の奴が怪しい…
その人物は真っ黒な格好で明らかに不審者と言った雰囲気だったのだ。
約束をしていたし、気にしないようにと思ったが…
輝田の家の前までくると、
その人物は真っ直ぐ歩いて行ってしまった。
「おはよう」
輝田が、元気に俺に挨拶をする。
「おはよう」と返事をしながらもさっきの不審な人物の行った先を見つめていると、
「なんか怖い顔してるよ?」
と言われハッとした…
気合いを入れ過ぎたかとも思うが、
なにぶん自分の性格だろう、
ストーカーとかが許せない…
正直、まだ喧嘩という喧嘩はしていなかった。
誰もこの見た目から向かってくるやつが居なかったからだ。
だからこそ、警戒してしまった。
相手は1人だろうが、弱い人物だったとしても武器を持っていたら対抗できるかどうか…
いや、俺が弱気になってちゃ、
輝田が頼ってくれたのに…
男として応えなきゃだろう!!
そう自分を奮い立たせていた。
「いくか」
「うん!」
たわいもない会話をしながら学校へと向かう…
クラスが向い通しだから下駄箱も近く、すぐ異変に気づいた…
「…きてる」
輝田の一言で本当に返事が来ていたのかとびっくりする…一か八かで試したんだが、放課後だけじゃなく奴は下駄箱を何度も見に来ていたのだろう。
となれば、同じ学校ではない可能性も高い。
大人だった場合太刀打ちができるのか…
まずは、手紙の内容を確認しよう。
「なんて書いてある?」
俺は輝田の持つ手紙を覗き込む。
【今日の放課後迎えにいくよ】
ただそれだけ書かれていたのだ。
「私…」
「大丈夫、俺もいる」
不安そうな輝田を宥めるようにいうが、実際は少し怖かった…いざとなったらある程度戦える筈だ、どれほどまでの力が自分にあるか分からないが運動神経が悪いわけでも無い。
見た目で威圧出来るかもしれない。
いろいろな不安は確かにあるし、
誰かに相談した方が良かったのかもしれない、
でも…、俺は俺の力を試したいなんて
浅はかなことを思ってしまった…
これが、
自分が後に後悔することになるなんて、
まだ知らずにいた。
あっという間に放課後になり、
少し手前で下駄箱の様子を伺う。
すると、今朝見たばかりの黒服の男が学校前にいた
アイツ、やっぱり怪しいと思ってたんだ、
輝田は不安そうに校門を抜けていこうとすると話しかけられていた、
フードを取ると割と普通の成人男性に見える。
本当に普通のサラリーマンのような、
悪そうな人にも見えないし、
強そうでも無い。
2人が近くの商店街に向かって歩き出した…
その後ろをとりあえず人に紛れながらついていく。
見失わないようにしながら、慎重に、慎重に…
20分ほど歩くと、空き地に出た。
遊具があるが閉鎖されており、鉄の塊が聳え
工事の真っ最中といった感じだった、
人気は少ない。
輝田は男に何かを言われ肩を掴まれている。
ハッキリと声が聞き取れないな…
物陰から2人に近づこうとした瞬間、
ドッと強い衝撃が右肩を襲う。
「ぐぁ…」
思わずあまりの痛みに声を出してしまったので、
黒服の男と輝田はこっちを見る。
「コーヤン!!!!!」
駆けつけようとした輝田を黒服の男は抱きしめるかのように捉える、やめて!と言いながらもがくが男から逃れる事はできそうになかった。
「兄貴も変態だよなぁ」
後ろから声がする、ちょっと派手目な金のアクセサリーに金髪オールバックの学ランの少年が立っている。
同じクラスだったような…
俺と目が合うと、少年は更に手に持っていた鉄パイプで俺を叩きつけた
「ッ!!」
その痛みは身体中を巡り、ジンッと背中に渡った…
立ち上がらねば…地面に這いつくばってるわけにいかない。
そこでやっと、辺りを見渡して驚いた。
少し離れた遊具の周りには何人もの男たちが各々座ってタバコを吸ったり酒を飲んだりしながら、
こちらをまるで見物するかのように見ていた。
軽く20人くらいは居ると思う…
冷や汗がすっと落ちていく、後悔していた。
俺は志騎高がどんなとこなのかまだ知らなかった。
野蛮な奴ばかりなんだろうか…
そう、鉄パイプを持った少年の学ラン…
それは志騎高のもので…
ましてや同じクラス、
周りの奴らも同様に数人は志騎高生だろう。
私服のやつはわからないが…
一体どういう状況なんだ。
「お前さ、入学初日から目立ち過ぎなんだよね」
急に鉄パイプをくるくると手で転がしながら、少年が俺に唾を吐き掛け言ってきた。
「俺が?」
体の痛みもあるし、少しの時間稼ぎだ。
なんか解決策を探さないといけない…
囲まれているから難しいが、
質問しながら辺りを見渡す。
「そうだよ、1年で目立って入ってきたから先輩からチヤホヤされてただろ?まじウゼェ」
嫉妬なんだろう、彼はタッパがない。
その小ささを誤魔化すように大きめの鉄パイプを振り回しているといった印象だった。
「見た目がなんだって…俺は、気合い入れて志騎高に入っただけだ…」
「うっせぇ!」
俺が喋ろうとすると、
すぐさま言葉を遮られた。
「まぁいーや、兄貴がさぁ毎年新入生の女を食いたいって言うんだよ、高校1年生がいいんだってさぁー…今年はそこの女」
指を刺した先に涙を流している輝田の姿があった悔しくて強く握った拳から血が出ていた。
「食いたいってなんだよ…」
俺はもう我慢ならなくて歯を食いしばっていた、怒りに任せて戦うのはよくないかもしれない…だが…
「やめて!!」
輝田の上着が剥ぎ取られ、服に手をかけられていた、ロープを男が取り出すのを見て、俺は走り出す。
「てめぇ!!!!!いい加減にしろッ!」
勢いよく駆け出し黒服の男に殴りかかろうとすると、他の不良達が前に立ちはだかり、俺に蹴りをかましてきた、早すぎて全く受け身すらとれなかった。
「まじ?弱くねぇ?」
地面に仰向けに倒れた俺を見て全員が笑い出す。
「うるせぇよ…」
もう全てに対する怒りで我を失っていた、
わかってる、喧嘩が強いわけじゃない。
でも、女の子1人守れない自分に1番腹が立つ。
悔しくて立ち上がる前に、地面を殴った。
痛ぇ…血の出た拳はさっき蹴られた時よりも痛い。
いける…
少しでもいい戦える…
やるしかない、俺は男だろ…
「お前ら全員ごちゃごちゃうるせぇ、見た目がどうだ、弱いからなんだ、そんなのテメェらに笑われる筋合いねぇんだよ!!!!!」
急に叫んだ俺に全員が怯んだ。
すっきりしたし、その瞬間、気持ちが良かった。
「女の子1人も守れない男なんて、漢じゃねぇ!!!全員まとめてこいよ…」
思わず言ってしまった言葉。
それは自爆だった、
一斉にかかってきた奴らに俺はボロボロにされた。
悔しくて何度も立ち上がるが正直限界だった、
それに横目にどうしても輝田が気になって仕方がない。
クソ!俺がもっと強かったら…
最悪だ、涙が出てきてしまった…
これは悔し涙だ…
向かってくる奴らも俺を見て笑っている。
もうダメかもしれないと思うが
辛くても立ち上がるのをやめられなかった……
その瞬間、カーンっと軽快な音が響く。
それと共に黒服の男が地面にドサッと倒れた。
気を失っている。
何が起きたのかと、
周りが注目していた先を見ると
フェンスの上でスプレー缶を持った男が立っていた、
「やばくねー?俺ナイスキャッチじゃん♬」
楽しそうに弾んだ声、そして柔らかなピンクの髪をワックスでアシメントリーに固め赤サングラスをかけるという何とも派手な学ランの男はニコニコしながら、フェンスを飛び降りた。
周りが唖然としていたが、
どうやら言葉の意味がわかった…
アイツがスプレー缶を黒服の男にぶつけたのだろう、うまくそれを自分の手元でキャッチしたのだ。
「怖かったね〜?エッチなことされてない?手足まで縛られちゃって…コイツへんたーい」
転がった黒服を蹴り飛ばしながら、
輝田に優しく語りかけている。
痛々しくも強く食い込んでいた輝田のロープをピッと一瞬にして解いて見せた。
一体何を使ったんだ…?
「服を脱がされて、ちょっと触られたぐらいです…」
そういう輝田は泣いていた、
凄く怖かっただろう。
「もう大丈夫だよ。」
とひとこと言って、その人は自分の学ランを輝田に着せている
その姿が俺にも安心感をくれていた。
すると、いきなり同学年の不良少年が鉄パイプを向けて叫んだ、
「てめぇ、人の喧嘩に割り込んできやがって!何もんだぁ?!」
凄く怒り任せな言葉だったが、それにも動じないでこちらに一歩ずつ近づいてきた。
「俺は〜志騎高2年A組、鷹左右春輝でーす♡覚えてね?」
飴を取り出し少年に渡していた。
こんな状況であの余裕な表情…
そして馬鹿にしたような態度が相手を煽る。
「はぁ?先輩なめてんすか?」
先輩だからだろう、一応敬語にしているが、
煽り文句で飴を地面に投げつける、
そして、勢いよく鉄パイプを春輝さんに振りかざした。
「危ない!」
俺が慌てて立ち上がるよりも早く、
鉄パイプが、地面に叩きつけられ…
「ま…まがっ…た?」
俺が唖然としてると春輝さんはにっこりと笑いながら、このパイプ弱ぁ…なんて言っていたが、そんなはずはなかった。
俺を殴っていたとき、あくまでも鉄パイプだぞ…
人間が曲げることができるんだろうか。
みんなが騒ついた瞬間、
急に春輝さんが腹を抱えて笑い出す。
「な、なんだよ!何がおかしい!」
そうすると、
自分の背後からパイプを一本取り出した。
「先が柔らかいやつとすり替えたの〜俺マジシャンになれんじゃない?びっくりした?」
とにかくそれはパフォーマンスの域を超えている。
早い、早すぎて全く目が追いつかない。
しかもやることが普通では無かった。
「…すげぇ」
思わず俺の口から漏れ出たひとことだった。
そんな俺と目が合うと急に近づいてきた、
「さっきのカッコ良かったよ〜見た目がどうだ、弱いからなんだ、そんなのテメェらに笑われる筋合いねぇんだよーーーってやつ、俺好きだな〜♬」
そう言いながら俺の体を起こしてきた。
「でもさぁ…」
その刹那、強い蹴りが俺の腹に食い込む…
腹筋に力も入れていないせいで、それは今まで受けた中で1番の衝撃で俺はその場にあった土管の山にに崩れ込んだ、その瞬間周りが騒つくのも感じた。
この人は一体どっちの味方なんだ…??
「その拳、誰かの為じゃなくて自分の為に振れよ…それが誰かを守るようになるから」
言葉の意味が俺にはその時全く理解できなかった。
「あとは任せてね〜3分で終わるよ♬」
さっきなげかけた言葉とは裏腹に陽気な声に戻っていた。
「おいおい、先輩さぁ…3分はこの人数じゃ無理っしょ」
「何言ってんのー?半分くらいしかいないじゃん」
ハッと気づけばさっきまでの人が半分くらいに減っていた。
「まぁ、見物してただけなのに逃げやがってムカつくけど〜…今度見つけたら1発入れるからいーや…あ、顔覚えてないかも」
あくまで笑顔だが言ってることが普通では無かった、この先輩いったい何なんだ…
「なん…なんでだよ…くそッ!やるぞ、お前ら!!!」
いきなり1年の不良少年と残りのその場にいたやつが春輝さんに向かって雄叫びをあげて走り出す、
「やったぁ、まとめてきてくれるのー?嬉しいなぁ」
ひょろっとした体格からは想像もつかない、
一撃技を相手に撃ち込み、大抵の奴は1発食らえば体をひくつかせ暫く立っていられなくなっていた。
「3分以下だったね?」
頭になって調子に乗っていた少年は、
「くそー!覚えてろよ!」なんて言いながらヨタヨタ逃げていく…なんとも惨めな姿だった。
「まだそこにいる奴、出ておいで?」
終わったかと思えば、志騎高の学ランを着た長髪でチャラそうな不良がひとり、
春輝さんに向かって走ってきた。
「はるきさぁーん」なんて情けない声を出しながら、地面に這いつくばり土下座していた。
「降参するの〜?」
「当たり前じゃないっすか!鷹左右兄弟の春輝さんっすよ!絶対勝てるわけないっすから!!!!すいませんでした!!!!」
それを聞いて俺は相当凄い人だということを知った、そんな人に助けてもらえたなんて…
俺は運が良かったとしか思えない。
あのままだったら、どうなっていたか…
「春輝さん!!…俺…本当に迷惑かけました、すみませんっ!!!」
とにかく謝りたくて、頭を深々と下げた。
「許さない」
急に春輝さんの言葉に俺がハッと頭を上げると、
ゴチンッと軽快な音がした。
謝ってたのに、長髪のチャラそうな不良が殴られていた…頬が真っ赤に腫れている、
痛そうだ。
「どうせまた、群がるんでしょー?あやまる前に言うことあるんじゃない?」
と、春輝さんが言った瞬間、後ろから、
「ありがとうございました」と輝田が言った。「…ですよね」って小さく自信なさげに言う姿に、春輝さんが嬉しく「大正解!!」とピースしていた。
本当に陽気な人だ。
春輝さんが輝田の手を取り、俺はチャラそうな不良に抱えられながら、その場を後にした。
春輝さんと不良は何処かへいくようで途中からの分かれ道で輝田と並んだ。
なんて声をかけようか迷っていると。
「コーヤン、ごめんね…」
ぽつりと輝田は呟いた。
「いや!俺が弱いばっかりに!…いてっ」
まだ体が痛むせいか、勢いで身振り手振りしながら喋ると体が痺れた。
輝田が俺を支えてくれたが、
本当に情けない…
女の子に支えてもらうなんて。
「あ、違うの!私が親とか先生に相談したらよかったのに…危ない目に合わせちゃったりしたから次からは気をつけるから」
「いや違う…俺が…悪かった。」
俺が否定すると輝田は目をパチクリして俺の顔を見ていた。
「強くなりてぇ…」
思わず漏れ出た本心だった。
春輝さんがいなかったら、
どうなっていたことか…
でも、あの戦いを見れたからこそ、
未だにこんな状況で俺の心がずっとドクンドクンと煩いくらい脈を打っていた。
春輝さんは俺より背が少し高いくらい、
タッパの問題ではない。
ひょろっとしたあの体で、
たったの一撃技が相手に動かせないほどダメージを与えていた。
それは、
不良っぽさよりも何処か狂気じみていたが、
春輝さん独特だからこそカッコ良かった。
鷹がまるで獲物をハントする瞬間のような。
そんな印象が強く残った。
俺もなりたいな…
あんな風に強くなりてぇ、
明日真っ先に昼休み春輝さんのとこにいって差し入れと、頼みごとをしよう。
…俺を鍛えてくださいって、
俺は、絶対強くなる…
帰り道、
夕焼けに向かって心の中で誓った。
next … #2 先ずは、ひとつずつ確実に
………
皆様こんにちは!!!!
鷹左右春輝の中の人、神条めばるです!
もうこの最初の挨拶いらないかな。。。
つい癖で、こういうの入れたくなっちゃうんですよね。笑
さぁて、ここまでみてくれた方…
本当にありがとうございます。
私的にはヤンキー漫画とかに有りがちそうなシナリオになって大満足!!!!!
(大の字になって転がっている
実はコーヤンからの希望もあり莉桜ちゃんを今回招いての作品となりました…
主人公とヒロインのような2人の関係性、
これから2人はどんな思いでシキケンライフを過ごすのか楽しみですねーーー!!
春輝心からすると、
コーヤンよ!春輝を超えていけ!って思うとこですが…
シナリオのためにドンドン春輝が強いみたいな雰囲気になってきちゃってるから、
そんなことないんだよって言いたい…
いやぁ、春輝ってあんまり喧嘩は好きじゃない…どっちかというと護身術に近いんだと思います、だから避けたりする方が得意。笑
なるべく一撃で倒したいけど、
コーヤンみたいに何回も立ち上がってくるような人は苦手だし、へばるでしょう…
つまり忍耐力がある人には弱いんですね〜
キレたら違うだろうけど集中力が無いので。笑
なんて春輝事情を語ってしまったんだけど、
そんな強く無いんだからね?!(大嘘
みたいな感じです…
鷹左右兄弟見た目があれだから、
強く無いとバランスがね!!!
(これは設定だ…と思い込む事にする
さてさてさてさて!!!!
あのねーーー
語りたいことが山ほどあるんです。
莉桜ちゃんの中の人より、
・莉桜の能天気感と男性が苦手な感じが物凄く分かりやすくて素晴らしいです!
演劇部所属だけど本人も驚くくらい大きい声でコーヤンの名前を呼んだんでしょうね…
涙が出そう…
・莉桜目線だと少女漫画っぽいのに、コーヤンと春輝先輩目線だとジャンプっぽくて最高でした!
本当に感謝しかありません。
お二人共ありがとうございます!!
とコメントもらって、
私は大喜び!!!!!!
「演劇部」そう!これが結構キーポイントでした!莉桜ちゃんは演劇部だから、ある程度演技をしてきた人だと思えば怖くてもある程度は耐えた、
演技でコーヤンを信じて男についていったんですね。
そして、「コーヤン!!!!」って叫んだ莉桜ちゃんは本当にヒロイン感を前面に出したかったーーー!!そのポイントあってこそ、
少女漫画や少年漫画っぽく見えたのかなぁ。
さぁ、みんなはどっちに見えたかな?笑
コーヤンの中の人からは、
・自分で解決に向かう浅はかさとかたまらないです!
春輝さん〜〜〜!!!好きです!!
(やばい、これは嬉しい私も好きだぞコーヤンってなりました(お前は中の人だ
・莉桜ちゃんが1年と分かってからはタメ語
・莉桜ちゃんのことは照れて輝田呼び
・コーヤン身長169cmなので大きくはない
というポイントをまとめていただき、
私は大歓喜(とにかく悶えました
苗字呼びいいなぁ〜って後から、
コーヤンの指摘で萌えていたところ。
そして、身長があまり高く無い設定とは!!
またまたこれもギャップ萌えだ…
まだこれから成長するのかなぁ〜
春輝はそれよりちょい高めですかね(意外と小さい
ひょろっとしていたり、
雰囲気のせいで大きそうに見えちゃうから、
実際は悩んでますが、
めちゃくちゃに高いとかは無いなぁ…?
まぁ、高そう…たかそうだけに、たかそう。
(推測
みたいな感じですwww
さて、
これ語ると長くなっちゃうけど、
目一杯に愛込めちゃったので、
莉桜ちゃんも、コーヤンのことも、
好きになってくれる人が増えたら嬉しいな。
2人の成長がまた、
次のエピソードで見えてくるので、
親心で見てやってください♡
ではまた
あ、ここだけの話しでは無いけど?
もう春輝の中の人的には、
この2人、いつかくっつくんじゃ!?
なんて思っちゃいました。笑
全く未知だし、
これをきっかけに更に出会いが増えていった先にコーヤンの本気で守りたい女が出てきたり、莉桜ちゃんが誰かに惚れてしまうような出来事が待ってるのかなぁ〜
1年生って甘酸っぱいなぁ〜
春輝は恋愛しない体質だけど、
人の恋愛大好きなんで、
私の恋をどうか応援してくださいっていう
可愛い子ちゃんがいたら、
一緒に頑張るから、
春輝の恋愛相談室(Twitter
まで是非ご連絡ください。
(怪しい商売人だなぁ
悪徳商法とかじゃないからね!
みんなの恋バナを聞けるだけで本当に、
お駄賃いらないです。
おいしいね。
待ってます。
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