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翌日。
夜明けとともに魔王城への侵入を果たした四人は、順調に魔王の部屋へと歩みを進めていた。
(あーそこ、左行っちゃデッドエンドっぽくなっちゃうから右かな)
「みんな、右に進もう」
今日の神様はよく喋る。でもそのおかげで、敵に遭遇することを回避出来たり、弱点を突くこともできる。魔王討伐ということか、今日は気合が入っているのかもしれない。しかし、理不尽に負傷することもあった。神様が急に押し黙ってしまい、敵の強さを見極められずケントが負傷したり、リーシャの魔法が弾かれたこともあった。
神は乗り越えられない試練は与えない。教会で幾度となく聞いた言葉が不意に蘇る。そうだ、それなら、魔王討伐は乗り越えられない試練なわけがない。
「あれが、魔王の部屋だ……」
斥候として先を走るケントが魔王の部屋への到着を告げた。
私たち四人は顔を見合わせて、ここが正念場であることを再確認する。
この先に待っている敵を倒せば、平和な世界が訪れるはず。
どうかお願いします、我が神よ。私にお力を、お貸しください。
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