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「するわけねぇだろ。あんなことしたの初めてだよ。」
「絶対嘘だ!」
目白さんの常套手段に違いない。あんなに手慣れていて初めてなんて信じられるわけがない。
目白さんが男前じゃなかったら犯罪すれすれだ。否、ほぼ犯罪みたいなものである。
「俺、初めてなんて信じませんからね。」
じろりと睨んでそう言えば目白さんの眉間が不機嫌そうに皺をつくった。そして困ったように眉を垂らす。
「初めてだって言ってんだろ。そこまでしてお前のこと持ち帰りたかったんだよ。言わせんな。」
「は、はぁ!?なんでそんなことしてまで持ち帰りたかったんですか!?」
合コンのあの日まで目白さんとほぼ関わりなんてなかった。それなのに持ち帰りたかったとは一体どういうことなのだろうか。
「そりゃ松尾の事気になってたからに決まってんだろ。」
当たり前だろ、と言わんばかりの目白さんの返答に更にはてなマークが頭に浮かぶ。
「接点なかったのになんで俺のこと気になってるんですか?」
「接点なくても同じ会社なんだから松尾のこと知っててもおかしくねぇだろ。」
確かにおかしくはない。俺も目白さんのことは知っていた。でもそれは目白さんが有名人だったからだ。なぜ目白さんが俺のことを知っていたのだろう。謎だ。
(てかまてよ・・・、)
ふとあることに気づく。
目白さんは一体俺のどこが好きなのだろう。そもそもいつから俺のことを好きなのだろう。
(こ、告白はされたけどそういえば、そこんとこよく分かんない!!)
今までいっぱいいっぱいで考えたこともなかったが目白さんはいつから俺のことを知っていて、いつから好意を寄せてくれていたのだろうか。
—お前の事泣かせて犯してぇって思ってたんだよ。
あの日の強烈な言葉が思い出される。
(め、目白さんって一体いつから俺のこと狙ってたんだ!?)
考えたらちょっとゾッとして、俺は考えるのをやめた。
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