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「んじゃ、くる?」
目白さんの質問に小さく頷いた。
「・・・行きます。」
目白さんの家にお泊まり、やはり土曜日のせいかいやらしい想像が脳内にちらつく。つい視線を泳がせれば目白さんが意地悪そうに口角を上げた。
「お前今エロいこと考えただろ。」
「なっ!!か、考えてません!アンタじゃあるまいし!!」
大嘘である。土曜日の夜のことを思い出して、恥ずかしくなっていたのはまぎれもない事実だ。お泊まり、なんて単語を聞いてしまったらそりゃあ連想もするだろう。それでも目白さんに悟られたくなくてつい嘘をついてしまう。きっと目白さんにはバレているのだろうけれど。
それにいやらしい想像ばかりではなく、初めて行く目白さんの家に心が踊っていた。目白さんの部屋は一体どんな感じなのだろうか。
「・・・目白さんの部屋ってどんな感じなのかなって思っただけです。」
だけ、なんて若干嘘も混じっているが素直にそういえば目白さんはうーん、と首をひねった。
「別に普通だけどな。なんも面白いもんはねーぞ。松尾と違ってな。」
「え!?」
俺の部屋は男の一人暮らしとは思えない部屋である。ピンクとフリルで溢れた可愛らしい部屋だ。
目白さんには部屋について話したこともなければ、見せたこともないのになぜ普通じゃないと知っているのだろうか。
怪訝な表情で目白さんを見つめた。そうすれば目白さんはぷっ、と吹き出す。
「当たりかよ!どうせ松尾のことだからフリルとかレースとか可愛い感じなんだろ。」
大正解である。さすが目白さんだ。俺の事は何でもお見通しである。
それとも俺がわかりやすいだけなのだろうか。
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